2016年の日本の平均気温は、1891年統計開始以降過去最高気温を記録しました。 近年の高温化に伴い、外来の生物が国土に定着、人々の暮らしを脅かすことが増えてきました。クモや昆虫では、咬まれるとまれに全身症状にも及ぶ毒クモ「セアカゴケグモ」、生態系をいちじるしく損なう「アルゼンチンアリ」、そして昨年代々木公園で生息が確認され、デング熱を発症させた「ヒトスジシマカ」等です。それらは地方、都心を問わず住宅地でも確認されています。
毒を持っているセアカゴケグモのメス/(c)京都市衛生環境研究所

セアカゴケグモ-日本の侵略的外来種ワースト100

セアカゴケグモとは

原産地はオーストラリアと考えられています。日本で最初に発見された場所が港湾地域だったため、船荷に紛れて入り込んだとされています。ゴケグモの一種で、飛んだり土にもぐったりはしません。
人工物の隙間に不規則な巣をつくり、そこに卵(糸で袋状にした多くの卵=卵嚢)を持っています。
メスの体長は1cmくらいで赤いひし形の模様が特徴的です。オスの体長は3~5mmと小さく牙も人の皮膚を通りません。メスは 有毒の牙を持っていますが、臆病で巣やセアカゴケグモ自身を素手で触らない限り、かまれることはありません。巣から落ちると死んだふりをします。

セアカゴケグモ(毒グモ)の居場所と活動時期

セアカゴケグモが人を咬むのは6月~10月が多く、25度が活動の最適気温です。
好んで生息する場所は、自動販売機の裏、グレーチング、ブロックの隙間、公園のすべり台のスロープの裏、ベンチの脚、駐車場の車止め、花壇の囲み材の隙間、三角コーンの内側、庭やベランダに出しっぱなしのサンダルの内側、クーラー室外機の下、公衆トイレの隙間など、地面に近い日当たりの良い、しかし直射日光の当たらない場所にいます。 地面に近いところにいるのはアリやワラジムシ、ダンゴムシなど地上を這う虫を餌にしているからです。

 

私たちにできるセアカゴケグモ(毒グモ)対策

セアカゴケグモ(毒グモ)は、攻撃性の無いおとなしいクモです。
巣や個体に触らない限り咬まれることはありません。
幼児や子どもの外遊びでは、特に上記の場所に注意しましょう。
身近な場所での発生を防ぐには、居場所となる人工物を放置しないこと、側溝の落ち葉など巣の材料となるゴミ類を無くすことが大切です。
草むしりや街路の掃除のときはガーデンブーツなどを履き、皮膚の露出を避け軍手を着用します。ベランダのサンダルを履く前、洗濯物を取り入れるときもよくチェックしましょう。
セアカゴケグモをみつけたときは素手では絶対に触らず、1.家庭用殺虫剤を噴霧 2.熱湯を掛ける 3.靴で潰す、などします。また、発見したことを自治体に連絡しましょう。

セアカゴケグモの居場所

以下の写真は、京都市保健福祉局保健衛生推進室衛生環境研究所で公開しています。 見つけても絶対に素手で触らないでください。とあります。

ネットの支柱に生息する雌

自動販売機の下部に生息

モーターの熱で冬でも暖かい自動販売機はセアカゴケグモにとって最適な居場所です。
自動販売機の裏の隙間や下は巣営に必要なゴミや枯葉、餌になるアリやゴキブリなど、セアカゴケグモの活動にはうってつけです。
セアカゴケグモの被害を受けた人の中には自動販売機の缶コーヒーを取ろうとして咬まれた人がいます。 自動販売機の周辺に雑草が生えてたり、ゴミが散乱していたり、グレーチング等がある場合は特に注意しましょう。

セアカゴケグモに咬まれたら

咬症の症状

毒を持っているのはメスです。噛みあとは1~2ヶ所。赤くならない場合もあり、軽い痛みを感じたり、熱感や掻痒感を伴う場合もあります。咬まれてから5分~1時間でひどく痛み出し、その後ゆっくりと強い痛みが広範囲に拡がります。多くは1週間以内に回復します。

応急処置

傷口を洗い流し、氷で冷やすなどし、包帯などで圧迫せずに、病院で治療を受けます。可能であれば咬んだクモを殺して袋に入れて持参します。

全身症状

全身症状はまれですが、吐き気、腹痛、発熱、不眠症、めまい、頭痛、全身の発疹がある場合があります。手指や腕を咬まれたときは胸の強い痛み、足や脚を咬まれたときは激しい腹痛が起こる場合があります。

体力のない高齢者や子どもなど抵抗力の弱い人が重症化することが多く注意が必要です。
*オーストラリアの例では咬まれた人の約20%に激しい症状が出ています。

 



参考資料
京都市 保健福祉局保健衛生推進室衛生環境研究所:京都市 情報館 セアカゴケグモ写真集 
国立感染症研究所:セアカゴケグモ咬症とは
出典:厚生労働省ホームページ セアカゴケグモ等対策専門家会議報告書について http://www1.mhlw.go.jp/houdou/0810/1009-1.html を出典の一部とし、に株式会社ニックスが作成
参考:国立感染症研究所 感染症情報センター旧コンテンツ セアカゴケグモに咬まれた場合の症状と対応

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